鰹だしの作用
活性酸素消去効果
はじめに
鰹節からつくった「鰹だし」は、和風食品のベース調味料として使われ、おいしさや風味を増すと同時に、食品の酸化を抑える抗酸化力を持つことが分かっている。抗酸化物質には活性酸素を消去するものがある。活性酸素は酸素分子が活性化した状態の物質で、反応性が高いため、ガンや心臓疾患などさまざまな病気の原因と言われている。「鰹だし」に活性酸素消去能があることはこれまで報告例がなかったため、その影響について調べた。試料
「鰹だし」は水に対して5%の焼津産荒節を使用して抽出した。方法
代表的な活性酸素であるスーパーオキシドアニオン、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、ペルオキシラジカルの4種類についてESR(電子スピン共鳴装置)や化学発光法(ケミルミネッサンス法)で調べた。結果と考察
「鰹だし」には4種類すべての活性酸素に対して消去活性があった。特にペルオキシラジカルは、0.1%の濃度の「鰹だし」で半分に消去された。 さらに「鰹だし」に多く含まれている成分で、ペプチドのアンセリンおよびヒスチジン、クレアチニンの効果について調べたところアンセリンおよびヒスチジンはヒドロキシラジカル、一重項酸素、ペルオキシラジカルに、クレアチニンはスーパーオキシドアニオンに消去活性があることが分かった。 |
基礎データ |
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作用 |
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